大阪文学散歩 その2

大阪文フリに向けて、大阪文学散歩第二弾となります記事ですわ。

といっても、大阪城とか、ちょっとベタでんがなぁと思うわけでございまして、ほしたら、まあ、前回は、生玉神社と武田麟太郎が大阪でっしゃろというわけでしたんですが、それやったら、第二回はなんやと思いまして、上町をぶらりぶらりとあるいとったわけです。

とにかく寺の多いところです。いろんな宗派があって、もうどうなってるかわかりません。寺、多いなぁ。歩くとき、寺が多いことを楽しみながら歩く、というのが、大阪を楽しむ、隠れた面白がり方でございます。

こんな石もあります。

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痔。

たしかにある、身に覚えのない、尻の傷、ぼくにはあります。そんなとき、この碑の立つ寺に詣でて、どんだけ作業しても、尻が無事でありますようにと、願うしかないな、大阪来たときもぜひ! と思うわけであります。十萬寺というところです。

そこから先にとことこと北の方に進むと、鎌八幡ってところがあります。

京都に、なんかやたら札が貼られまくった、石の穴のところくぐる神社ありますでしょ? あそこぐらい縁を切るパワーあるところらしいですわ。文章を書く人間も、悪縁とは無縁でいられますまい。ぜひ、ここに来て下さい。ちなみに、中の写真撮影は厳禁ですんで。鎌をぶっさして、悪縁をぶった切る。なんて具体的な解決法。物理攻撃ですわ。

 お寺のホームページによれば「大阪冬の陣のとき、真田幸村がこの土地に陣所を構えたが、この信仰を聞き伝えて、鎌を打ちつけ、鎌八幡大菩薩と称して祈念したところ、大いに戦勝をあげたと伝えられている」だそうな。鎌を打ち付けるのは、いろんなところでも行われてるんでしょうが、大阪で鎌といえばここですな。むかしは、このあたりは、外国の要人を迎える迎賓館が近くにあって、その要人を迎える古道の坂道でありました。大変重要な「境界」のようなところでした。

ちなみに江戸時代のはじめごろ、ここに住んでいたのが「契沖」(けいちゅう)という人です。元号万葉集から取られましたし、ぜひとも「契沖」ってなんなんやろなと思いつつ、鎌八幡を訪れてくださいませ。なんで万葉かというと、徳川光圀から『万葉集』の注釈を依頼された下河辺長流(しもこうべながる)という人がいまして、その人が病気で研究を続けられへんから、友人の契沖にそれが受け継がれたそうです。契沖は密教の僧侶です。日本の密教といえば、空海ですので、たとえば、空海の声字実相義という本でも片手に、万葉の言葉に、その時代そのものに迫ろうとした学者の魂を感じたら、文学パワーもアップするかも……でもまずは鎌をぶっさす! マナーは守って! ですわな。

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もう一つ、大阪文学散歩として、ほんまに散歩できるところは住吉大社ですわ。

住吉大社につくと、まず目に付くのは路面電車の良さ! たまらんわ。それと、この怪しい精力剤! 街中とかにたまにありますよね。

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大阪は海と川と島と……水の都市やったんやなあと、思えるところですわ。

うさぎが水を吐き、橋はわけわからん急角度、蛇口の上の蛙。狛犬狛犬をせおっていて、漫画ハンターハンターのジンの登場のコマみたいになっています。

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メインは住吉大社といいたいところなんやけど、ちょっと外れたところにある大海神社ですわ。海の神様が祀られているし、その神様が来る前の神様もいるような感じがしまっせな。元号も変わるし、ここに行って、へーまわりに全然海ないけど、めっちゃ海を感じるな、と思って下さい。井戸がいまだに現役(?)で、水がじゃばじゃばでてきますので、ぜひそこで手を洗って下さい。なんでこんなに水がでるのか……気持ちええよ! 相撲部屋もあるし、その相撲部屋っぽい建物からは、トントントンと料理の音が。ちゃんこ鍋やろなあ。

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というわけで、第二回のおすすめ文学散歩は契沖と大海神社でした。有給休暇とって遊んで!

 

文学フリマ大阪事務局 スタッフ 顔色白太郎